「日産婦誌」、「抄録集」、2011年以前の「会誌+抄録集」から検索することができます。
日産婦誌 第64巻第1号―最新
学術講演会抄録集 第64回―最新
日産婦誌 学術講演会抄録集 1949年-2011年

学術講演会抄録集 検索結果 第64回―最新

開催年 回 タイトル 著者名 本文
一般演題74
不育症診療の現状―14施設のデータ集計より―
田中 智子, 伊藤 実香, 米田 徳子, 齋藤 滋, 竹下 俊行, 藤井 知行, 川口 里恵, 三井 真理, 中塚 幹也, 丸山 哲夫, 山田 秀人, 杉 俊隆, 福井 淳史, 山本 樹生, 高桑 好一, 木村 正, 小澤 伸晃
不育症治療に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究
【目的】不育症は病態が多様で偶発的症例が含まれるため,多施設の診療データを集計し,不育症の全体像を把握することを目的とした.【方法】対象は平成19年から24年度に不育症を主訴に全国14施設を受診した3159症例で,不育症の定義に該当したのは2989例.検査は子宮卵管造影,甲状腺機能検査,夫婦染色体検査,抗リン脂質抗体(APA)検査,血液凝固因子検査などを施行.検査後に妊娠したのは587症例で,のべ1376妊娠を解析した.【成績】対象症例の平均年齢は34.5±4.7歳で,受診時点での流死産回数は1-14回(平均3.0±1.5回)だった.全ての検査を完遂したのは691例で,APA陽性が75例(10.9%),プロテインS欠乏が66例(9.6%),子宮形態異常53例(7.7%),染色体異常53例(7.7%),第12因子欠乏49例(7.1%),甲状腺機能異常48例(6.9%),プロテインC欠乏6例(0.9%)の順だった.リスク因子不明とした413例(59.8%)のうち,抗PE抗体IgGまたはIgM陽性を132例(19.1%)に認めた.56例にリスク因子の重複を認めた.既往流産回数が2,3回までは次回生児獲得率は73.8%,70.7%と良好だったが,4,5回では59.0%,63.4%と低下し,6回以上は33-34%と著明に低下した.リスク因子別の成功率では,甲状腺機能異常が82.7%(67/81)と最もよく,プロテインC欠乏が45.4%(5/11)と最も低かった.リスク因子不明の無治療例の成功率は既往流産2-3回で61.3%,4回以上で48.3%だった.年齢別では21-39歳は成功率70%台であるが,40歳以上では52.1%と年齢が流産リスク因子だった.【結論】高年齢と過去の流産回数が流産の最大のリスク因子であり,リスク因子不明4回以上の流産では何らかの対策が必要と考えられた.
2013年 第65回