専攻医教育プログラム
16.避妊法
北村 邦夫
日本家族計画協会家族計画研究センター
避妊法選択の理想条件とは,①避妊効果が確実,②簡単に使える,③セックスのムードを壊さず,さらに性感を損なわない,④経費がかからない,⑤副作用がなく,妊娠しても胎児に悪影響を及ぼさない,⑥女性の意志だけで実行できる,さらに加えれば,⑦避妊以外の健康上の利点が期待できるなどが挙げられる.これらの理想条件を完全に満たす避妊法はないが,使用するカップルの避妊に対する意識,性交頻度,妊娠を受容できるかどうか,生活習慣などを質すとともに,それぞれの避妊法の特徴,避妊機序,長所,欠点,使用法などを十分説明した上で,避妊法を選択することになる.以下,女性が主体的に取り組める代表的な避妊法について略述した.
1.低用量経口避妊薬
エストロゲンとプロゲストーゲンとの配合剤.避妊効果が確実であるだけでなく,さまざまな副効用が認められている.月経困難症治療薬である低用量EP剤が発売されており,処方に際しては避妊指導も合わせて行う必要がある.「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」(改訂版)に準じて処方する.
2.子宮内避妊具/子宮内避妊システム
優生リング,FD-1,マルチロード,ノバT,ミレーナなどがある.挿入に際しての留意点に配慮する.
3.緊急避妊法
避妊しなかった,避妊に失敗した,性犯罪被害を受けたなどに際して72時間以内にノルレボ錠0.75mg2錠を1回投与する,または銅付加IUDを挿入する最後の避妊法.「緊急避妊法の適正使用に関する指針」に準じて行う.
4.ライフステージに応じた避妊法の選択
避妊法選択の理想条件に照らして,「妊娠を望まない若年者の避妊」「性成熟期の避妊」「中高年期の避妊」それぞれに,どのような避妊法が優先されるべきか十分に検討する.
2012年 第64回