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日産婦誌 第64巻第1号―最新
学術講演会抄録集 第64回―最新
日産婦誌 学術講演会抄録集 1949年-2011年

学術講演会抄録集 検索結果 第64回―最新

開催年 回 タイトル 著者名 本文
一般演題79
シスプラチンを含む高度催吐性化学療法による化学療法誘発性悪心・嘔吐に対する標準制吐療法+オランザピン併用の有効性・安全性の検討:前向き第2相試験
安部 正和1, 平嶋 泰之1, 武隈 宗孝1, 高橋 伸卓1, 田中 晶1, 市川 義一2, 糸永 由衣3, 平川 東望子3, 奈須 家栄3, 下地 香乃子4, 村上 淳子4, 伊藤 公彦4
1)静岡県立静岡がんセンター, 2)静岡赤十字病院, 3)大分大学, 4)関西ろうさい病院
【目的】オランザピンは化学療法誘発性悪心・嘔吐(CINV)に有効性が示されているが,標準制吐療法と併用した場合の有効性は明らかでない.シスプラチン(CDDP)を含む高度催吐性化学療法(HEC)に対して,標準制吐療法+オランザピン併用の有効性・安全性を多施設共同前向き第2相試験で検証した.【方法】試験は各施設の倫理委員会で承認され,臨床研究に関する倫理指針を遵守した.文書で同意が得られた,CDDP 50mg/m2以上を含むHECを受ける40人の婦人科癌患者が登録された.標準制吐療法(パロノセトロン,アプレピタント,デキサメサゾン)と一緒に,オランザピン5mgをCDDP投与前日と1~5日目に投与した.悪心・嘔吐の評価は患者自身が症状日誌に記録した.主要評価項目は全期間(CDDP開始~120 h)の完全寛解率(嘔吐なし,救済治療なし)とした.副次的評価項目は急性期(CDDP開始~24 h)と遅発期(CDDP開始後24~120 h)の完全寛解率,各期間の完全抑制率(嘔吐なし,救済治療なし,有意な悪心なし),悪心嘔吐総制御率(嘔吐なし,救済治療なし,悪心なし),有害事象とした.試験は1サイクル目に行った.【成績】全期間の完全寛解率は92.5%,急性期と遅発期の完全寛解率はそれぞれ97.5%,95.0%だった.急性期,遅発期,全期間の完全抑制率はそれぞれ92.5%,87.5%,82.5%,悪心嘔吐総制御率は87.5%,67.5%,67.5%だった.グレード3,4の有害事象はなかった.【結論】標準制吐療法+オランザピンは,従来報告されてきた標準制吐療法の成績よりも良好で,HECのCINV予防として有効かつ安全な制吐療法になる可能性が示唆された.
2016年 第68回